fbpx

CONTENTS

CONTENTS

キャンティクラシコとは?【リゼルヴァとの値段の違いは何か】

イタリアワインといえばキャンティをイメージする人も多く、キャンティはイタリアワインの顔とも言えますが、よく見るとクラシコとかリゼルヴァとかの名称がついたり、同じ産醸造年、ワイナリーでも、値段に違いがあるのって不思議ですよね。
今回はキャンティワインの名称、価格、値段の違いがどのように決められているのかを解説します!

キャンティって名前は、いろんなレストランで聞きますよね!

キャンティは生産地の名前だから、細かく見ていくと格別の違いがあるんだよ!

 この記事でわかること
・キャンティとは何か
・キャンテイクラシコのクラシコとは?
・リゼルヴァとは何か
・価格差はどこからくるのか

キャンティとキャンテイクラシコ

キャンティとキャンテイクラシコ

キャンティ(Chianti)は、イタリアのワイン産地で生産される有名な赤ワインです。キャンティ地域はトスカーナ州に位置し、その地域で栽培されたサンジョヴェーゼと呼ばれるブドウ品種を主成分としています。キャンティワインは、イタリアワインの中でも特に広く知られており、多くの人々に愛されています。使用できるブドウ品種は、サンジョヴェーゼ種70%以上、白ブドウ10%以内、黒ブドウ15%以内と決まっています。最低熟成期間は収穫年の翌年2月末までです。

キャンティクラシコ(Chianti Classico)は、同じキャンティ地域内の中でも、一部の区画内で生産される特別なワインです。キャンティクラシコに使われるブドウは、キャンティ地域の伝統的な地域で栽培されたものだけが使用されます。また、キャンティクラシコのワインは、特定の品質基準に適合する必要があり、名を冠するためのハードルが上がります。使用できるブドウ品種は、サンジョヴェーゼ種80%以上、その他は黒ブドウのみと定められています。最低熟成期間は収穫年の翌年9月末までです。

キャンティクラシコは一般的に高品質なワインとされており、サンジョヴェーゼの特徴的な風味と共に、豊かでフルボディの味わいを持っています。典型的なキャンティクラシコは、赤い果実のアロマ、スパイスのニュアンス、バランスのとれた酸味、なめらかなタンニンなどを特徴としています。

キャンティとキャンティクラシコは、イタリア料理との相性が良いとされており、特にトマトベースのパスタやグリル料理などとの相性が抜群です。また、キャンティワインは多くの場合、若いうちから楽しむことができますが、長期熟成によってさらなる複雑さとエレガンスが加わることもあります。

ただし、注意点として、キャンティとキャンティクラシコはそれぞれ異なる品質レベルのワインが存在するため、ラベルを確認するか、信頼できる生産者やブランドを選ぶことをおすすめします。

歴史的背景

イタリアのトスカーナ地方では、紀元前数百年かワイン用のブドウが栽培されていた記録が有りますが、後にフィレンツェの裕福な貴族や商人たちがこのエリアのワインを好んで飲むようになったと言われています。700年代に入ると、トスカーナ大公のコジモ3世が、このエリアを特別な地域として境界線を引き、『キャンティ』としてのワイン造りがスタートしました。しかし、キャンティが世に出るまでには、それからしばらくの期間を要しました。サンジョヴェーゼ種のブドウのみで造ったワインは、硬く飲みづらい印象があったからです。
変化が訪れたのは19世紀に入ってからです。19世紀にベッティーノ・リカーゾリ男爵が白ブドウを含むほかのブドウ品種を加えたブドウの混醸率を考案し、キャンティはより飲みやすいワインとなりました。
飲みやすく改良されたキャンティは名が知れ渡り、イタリア国内のみならず、国外でも需要が高まります。そして、キャンティという名前が付いていれば売れる時代にもなりました。
そのようなキャンティの人気に注目し、イタリア各地ではこれまでキャンティを生産していなかった地域でもキャンティと名付けたワインを販売するようになりました。その結果、安い価格で品質の良くないキャンティが出まわるようになります。
このような状況を見かねた一部の生産者たちが、「キャンティ クラシコ」という組合を結成。品質にこだわったキャンティを造ることで、再び高評価を得るようになりました。

認証マークの黒い鶏『ガッロ・ネーロ』

認証マークの黒い鶏『ガッロ・ネーロ』

キャンティ・クラシコのシンボルである黒い雄鶏『ガッロ・ネーロ』のマークはよく見かけますね。このマークは1924年、33の生産者たちが自分たちのワインを守るべく、品質保護協会(キャンティ・クラシコ協会)を設立したころから使われています。

なお、このガッロ・ネーロには、面白い逸話があります。

昔々、キャンティ・クラシコ地区を挟むシエナとフィレンツェの2つの都市が領土争いをしていました。 長い長い争いに疲弊していた両者は、ある取り決めをしました。

それは

「日の出を告げる雄鶏の鳴き声とともに互いの国を出発し、出会ったところを国境にしよう」

というものでした。

シエナは白い雄鶏を選び、フィレンツェは黒い雄鶏を選びました。 決行日の前日、シエナ軍は雄鶏がちゃんと鳴くようにと餌をたっぷり与えたそうです。

一方フィレンツェ軍は、ある策を講じます。それはわざと雄鶏に餌を与えなかったのです。 餌を与えられなかった黒い雄鶏は、あまりの空腹のため日の出を待たずに鳴き声をあげました。 その結果、フィレンツェ軍は夜中のうちに出発することができ、シエナ軍が出発した頃には、すぐ近くまでフィレンツェ軍が迫っていたのでした。 こうしてフィレンツェは自分たちの領土を広げることに成功した、というお話です。

確かに夕食を抜くと、翌朝の目覚めが良いですよねー。

腹八分が大切だニャー。

キャンテイクラシコ リゼルヴァとは何か

キャンテイクラシコ リゼルヴァとは何か

キャンティ・クラシコ・リゼルヴァは、キャンティ地域の最高品質のワインの中でも上位に位置し、一定の基準を満たした特別なワインです。キャンティ・クラシコ地域で栽培されたサンジョヴェーゼ種のブドウを主に使用し、最低2年以上の熟成を経て販売されます(うち最低1年は樽熟成)。なお、リゼルヴァの表示をするためには、より高い品質のブドウや製造方法を規定に従って使用する必要があり、生産者へのハードルが上がっています。
キャンティクラシコリゼルヴァの味は、一般的にフルボディで豊かな風味を持ち、濃い赤色で、しっかりとしたタンニンとバランスの取れた酸味を特徴とします。このワインは、熟成によって複雑な風味が発展し、しばしばスパイス、バニラ、レザー、ダークチェリーなどの香りが感じられるのが特徴です。料理との相性とペアリングでは、特に赤身の肉料理、熟成チーズ、トマトベースのパスタなどと相性が良いとされています。使用できるブドウ品種は、サンジョヴェーゼ種80%以上、その他は黒ブドウのみと定められています。最低熟成期間は24ヶ月(瓶内では 3ヶ月)です。

キャンテイ グラン・セレツィオーネとは何か

キャンティ・クラシコ協会が2014年制定した新たなカテゴリとして、グランセレツィオーネがあります。これはリゼルヴァのさらに上のカテゴリーとして制定され、最低30カ月の熟成期間(うち3カ月は瓶内熟成)や畑の収量を制限すること、自社畑のブドウを使用することなど、かなり厳しい規定であり、現在このカテゴリーが認定されているワインは全体の約5%に過ぎません。

値段の違い

値段の違い

ワインの値段は、様々な要素に基づいて決定されます。以下に、一般的な要素として考えられるものをいくつか挙げてみます。

  1. 品質と評価: ワインの品質は、その生産方法、ブドウの品種、ブドウ畑の地理的な条件、製造プロセス、熟成方法などによって左右されます。高品質のワインは、より良いブドウから作られ、熟成や製造のプロセスに時間と手間がかけられています。そのため、品質の高いワインは一般的に高価です。
  2. 生産数量 : ワインの生産数量も価格に影響を与えます。生産が少ない希少なワインは、需要が高まる傾向があります。その結果、価格が上昇することがあります。
  3. ワインの年代 : ワインは熟成することで味わいが変化し、価値が高まることがあります。特に、良い年のヴィンテージ(ブドウの収穫年)のワインは、一般的に高価です。
    値段が高いワインのポイントに当てはまるのが、当たり年のヴィンテージワインで長期熟成されたものです。数も少なくて、長期熟成で味わいに深みが出た当たり年のヴィンテージワインは高額ですが、実は値段が高く熟成期間が長ければ美味しいワイン、とも断言できないのです。長期熟成すると、ワインのクセ(渋みや香り)が出てくるので、万人受けするわけではありません。人によっては魅力的な味わいのクセも、癖のあり味を好まない人からすると、美味しくないと思われることもあります。このような理由から、「値段の高いワインだから美味しい!」といえるものとは限らないことが分かります。
  4. ブランドと評判 : 一部のワイナリーは、長い歴史や優れた評判を持っています。これらのブランドやワイナリーのワインは、その名声によってプレミアム価格がつくことがあります。
  5. 供給数 : ワイン市場では、需要と供給のバランスが価格に影響を与えます。需要が高く供給が限られている場合、価格が上昇することがあります。

これらの要素に加えて、販売地域販売者関税や輸送費なども価格に影響を与える要素として考えられます。また収穫方法が手摘みか機械なのか、製造方法がステンレスタンクか樽熟成なのかといった事も重要な要素です。注意点は、高い値段のワインほど美味しいとは限らないこと。人によって好みの違いもあるので、値段だけを参考にせず、いろいろ試して好みの味を見つけてみてください

まとめ

まとめ

いかがだったでしょうか。キャンティワイン、特にキャンティクラッシコのワインは日本の食事との相性のいい数少ない赤ワインだと思います。たとえ肉料理であっても、和の調理法と赤ワインは合わせにくいですが、良質なキャンティは絶妙に和食に順応してくれます。果実実と適度なタンニン、酸味のバランスが良く、幅広い料理と楽しめるのに、リーズナブル。いろんなシーンで楽しんでください!

なお、飲みやすくて親しみやすいイメージが定着しているキャンティですが、実はイタリアワインの格付けで最上位の等級であるD.O.C.G.ワインに分類されています
D.O.C.Gはイタリアのワイン法で定められる格付けのことで、最高ランクの印ですが、イタリアのワイを選ぶのにとても参考になる基準ですので、次回はこの格付けについて、記事を書こうと思います!

美味しいワインとの出会いは一期一会だニャ。

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。