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バターやマーガリンのトランス脂肪酸はオリーブオイルで代替!【活用のヒント3つ】

 脂質は三大栄養素の一つとされ、適切に摂取する必要がありますが、脂質の中にもオリーブオイルのように摂ると体に良いとされる脂質と、トランス脂肪酸のように摂取を極力控えた方が好ましいとされるものがあります。トランス脂肪酸は、世界的には使用に規制が進んでいますが、日本ではまだ規制がされてない脂肪酸で、その害の審議には多くの意見がありますが、有害とされる様々な研究が発表されています。そこで今回は、トランス脂肪酸について詳しく解説し、自らの体を守り健康に生活するためのヒントを紹介します。

ト、トランス・・・耳にしたことはあるけど、詳しくは知らないんですよ!

脅かすわけじゃないけど、知ることで食生活を見直すヒントになるよ!

トランス脂肪酸とは

トランス脂肪酸とは

 今では健康に良くないから避けることが望ましと、すっかり悪役にされるトランス脂肪酸ですが、ひと昔前までは積極的に摂ることが良しとされた時代もありました。そもそもトランス脂肪酸は1902年にドイツのウィルヘルム・ノーマン博士が、通常の場合は常温で液体のはずの植物油水素を添加することで人工的に常温でも固形でいられる油を作り出したことから始まりました。
 脂肪酸には、動物性脂肪に含まれる飽和脂肪酸と、植物油に含まれる不飽和脂肪酸の2種類がありますが、飽和脂肪酸は酸化に強く、常温で個体なのに対し、不飽和脂肪酸は酸化に弱く、常温で液体です。植物由来のトランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸ですが常温では固体になることが特徴的です。代表的なトランス脂肪酸は、マーガリンショートニングです。
 人工のトランス脂肪酸は、調合された植物油で、牛などの反すう動物に由来する乳製品や肉に天然で微量に含まれるトランス脂肪酸以外には自然には存在しません。そのため、人工のトランス脂肪酸は油脂を加工する際に生じる不自然な脂肪酸であるとされる一方で、動物性由来の飽和脂肪酸であるバターは健康に害があると報告されたことから、マーガリンやサラダ油は健康的であるとしてアメリカで多用されるようになりました。
 その後、1990年代に入るとトランス脂肪酸の健康上の悪影響に対する指摘が相次ぎました。ハーバード大学の研究でトランス脂肪酸がLDLコレステロールを増加させてHDLコレステロールを減少させることで、心疾患の大きなリスク要因となると結論付けたことで、トランス脂肪酸の害が広く知られるようになったのです。2003年にナビスコやマクドナルドに対し製品に含まれるトランス脂肪酸で健康被害があると訴訟が相次いだことを受け、アメリカでは2006年にトランス脂肪酸の表示を義務化。2013年には食品医薬品局(FDA)がトランス脂肪酸の使用規制を発表し、さらに2018年6月以降の原則使用を禁止しました。
 アメリカ以外にも、デンマークやスイス、オーストリアなど世界各国でもトランス脂肪酸の規制や流通禁止を行っています。中国や韓国、台湾、香港といったアジアでも表示を義務付けていますが、日本ではあくまで企業努力だけで使用規制も表示義務もありません。
 日本の厚生労働省の発表によると、『トランス脂肪酸による健康への悪影響を示す研究の多くは、脂質をとる量が多く、その結果としてトランス脂肪酸をとる量が多い欧米人を対象としたものであり、脂質をとる量が少ない日本人の場合にも同じ影響があるのかどうかは明らかではありません。』ともあります。

自分自身のルーツや食生活によって、各自の責任で判断する必要がありそうです!

トランス脂肪酸のリスク

トランス脂肪酸のリスク

 肉類や乳製品などに多く含まれる飽和脂肪酸は、取りすぎると健康を害すると言われて一方で、不飽和脂肪酸にはDHAやEPA、オレイン酸、α-リノレン酸などがあり、健康に良いイメージが定着していますが、不飽和脂肪酸にも「シス型」と「トランス型」の2種類があり、「トランス型」の不飽和脂肪酸にはリスクがあると言われています。
 なお、前述した牛や羊などの反芻(はんすう)動物に由来する天然の不飽和脂肪酸は、通常シス型で存在しますので、ここでいうトランス脂肪酸のリスクには考える必要がないです。

1. 動脈硬化と虚血性心疾患の発症

トランス脂肪酸は、悪玉コレステロールであるLDLコレステロールを増加させ、善玉コレステロールであるHDLコレステロールを減少させます。結果として、動脈硬化性変化が進行し、虚血性心疾患のリスクを高めます。実際に、トランス脂肪酸の摂取と虚血性心疾患には、相関関係があります。

2. メタボリックシンドロームの進行

トランス脂肪酸の摂取量が多い人ほど、腹囲が大きく、中性脂肪や血糖値が高くなる傾向があることが分かっています。

3. 認知症の発症

トランス脂肪酸を多く含む食事は認知症リスクをも上昇させます。九州大学衛生・公衆衛生学の報告では、血液中のトランス脂肪酸濃度が高い人では低い人に比べて、後年に認知症を発症する率が50~75%高かったことが明らかになっています。

トランス脂肪酸を多く含む食材

トランス脂肪酸を特に多く含む食品として、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングなどがあります。当然、これらを原材料に使用する菓子、パン、ケーキなどにも多く含まれています。
マーガリンやファットスプレッドなどに、トランス脂肪酸が多く含まれる理由は、主に製造方法にあります。マーガリンやファットスプレッドなどの製造では、液体状の油脂を固体化させる手法として、前述のように「水素添加」をします。この水素を添加する工程で、トランス脂肪酸が生じるのです。また、その他の植物油の製造でも、においを除去する目的で同様の高温処理を行うことがあり、これによってもトランス脂肪酸が生じます。このため、サラダ油などの高温処理した油にも、トランス脂肪酸が含まれることがあります。

植物油も危険

 上記のように、植物や魚からとった油を精製する工程でも、好ましくない臭いを取り除くために高温で処理することにより、油に含まれているシス型の不飽和脂肪酸からトランス脂肪酸が発生することがあります。そこで、サラダ油などの精製した植物油にも、トランス脂肪酸が含まれているものがあります。トランス脂肪酸を避けるには、サラダ油よりもオリーブオイルを選択することをオススメします。

オリーブオイルは植物油ではなく、オリーブの果実油なんです!

トランス脂肪酸を摂らないためには?オリーブオイル活用のヒント3つ

トランス脂肪酸を摂らないためには?オリーブオイル活用のヒント3つ

トランス脂肪酸を減らすために日々の油をオリーブオイルで代用するためには、以下の3つを心がけましょう。

  1. ジャンクフード系の外食を極力避ける(できるだけ自宅で調理)
  2. ドレッシングやマーガリンはオリーブオイルで代用
  3. 家庭内の調理、お菓子作りは全てオリーブオイル

1. ジャンクフード系の外食を避ける

高級料理店では食べる人の健康までも考えて食材を選んでくれますが、一般的にコストが安くなれば使用するオイルの質も下がるものです。バターを使用するよりもマーガリンで代用したり、揚げ物が多くなったりと、どうしてもトランス脂肪酸を多く含む食事に偏りがちです。そこで、本当に信頼できる本物の素材を出すレストラン以外の外食を避けるのも、一つの手です。

2. ドレッシングやマーガリンをオリーブオイルに変更

市販のドレッシングには、サラダ油を含めたトランス脂肪酸が多く含まれるドレッシングが多く存在します。そこで、エキストラバージンオリーブオイルを使用して、家庭でドレッシングを自作することをオススメします。エキストラバージンオリーブオイルは、そのものに素晴らしいアロマがあり、ビネガー(バルサミコ)と塩を加えるだけでも大変美味しいドレッシングに早変わりします。もしまだ試していなければ、オリーブオイルのドレッシングを作ってみてください。

また、パンに付けても手軽で美味しいマーガリンですが、こちらもオリーブオイルで代用することがオススメです。オリーブオイルをタップリ付けると、マーガリンとは違った風味と美味しさがあります。さらに、オリーブオイルとパンを一緒に摂ることで高血糖を抑える効果や、栄養の足りない部分を補う働きがあるため、健康効果の面で大変オススメの組み合わせです。

3. 家庭の調理油をオリーブオイルに変える

日常の調理の際も、オリーブオイルは発煙点を越えない温度であれば、火を入れる調理にもオススメです。サラダ油の発煙点が230℃程度なのに対して、オリーブオイルは180℃程度なので、普段からサラダ油でお料理をする方はオリーブオイルに変えると驚かれると思います。実は、この発煙を境にオイルに変質が生じ易く、風味や栄養素が損なわれてしまうため、発煙点の180℃以下で炒め物などをするのがオススメです。

加熱調理にもオリーブオイルがオススメなんです!

まとめ

まとめ
✔ 油の加熱は極力控える
✔ マーガリンなどのトランス脂肪酸を使用している食品には注意する
✔ 自宅で使用する油はオリーブオイルが賢明

 如何だったでしょうか。前述のとおりトランス脂肪酸の悪影響は、厚生労働省によれば、あくまで海外での実験であり、日本人には証明されていないのですが、摂取を控えるに越したことはありません。そのためには、日ごろから脂肪の多い食事に偏らないように心がけることが大切です。スナック菓子やクッキー、ケーキなども食べ過ぎないことは当然として、毎日の使う油をオリーブオイルにするなどして、体内に有害とされるタイプの脂肪酸を蓄積させないことが重要です。

逆にオリーブオイルは、生でそのまま毎日飲むと健康にいいですよ!

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