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オリーブオイルとサラダ油の違い

オリーブオイルとサラダ油の違いは?『成分、味、美容健康効果と使い方』

 オリーブオイルは健康に良いため『サラダ油の代替品に使うと良い』という話しは、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
しかし、日頃サラダ油に慣れ親しんで育ち、オリーブオイルを食べる習慣や知識が無い人にとっては、あまりピンとこない話だと思います。そこで今回は、サラダ油とオリーブオイルの違いを成分、味、美容と健康への効果、使い方を具体的に紹介します。

調理用の油に、そんな大きな違いがあるのかニャ?

味わいもさることながら、健康効果にも違いがあるよ。

オリーブオイルとサラダ油の違い

POINT
 同じ不飽和脂肪酸の油でも、原料製法が全く異なる
 エクストラバージンオリーブオイルは、果実を絞ったジュース感覚のオイル
 美容と健康効果を比較すると、オリーブオイルに軍配

1 成分

1 成分

基礎知識
 食用油の主な成分は脂肪酸と呼ばれ「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2種類に分けられます。飽和脂肪酸とは、肉類や乳製品に多く含まれるドロッとした脂のことで、バター、ラードなどもこれに当たります。一方、サラダ油とオリーブオイルは不飽和脂肪酸に分類され、植物や魚由来の液体状の油です。
 ここで、サラダ油とオリーブオイルは同じ不飽和脂肪酸ですが、原料と製法には多くの違いがあります

サラダ油の原料と製法

 サラダ油の原料は主に穀物の種子です。例えば、葡萄のサラダ油ならば葡萄の種子(グレープシードオイル)、大豆のサラダ油ならば大豆の種子が原料となります。また、キャノーラ油は品種改良したなたねの種子を使用しており、ゴマ油、紅花油などの製品も種子からできた『サラダ油』の仲間に分類されます。
 サラダ油の製法ですが、主に原料を加熱し、圧搾後に化学薬品や溶剤を加えて、油分を抽出します。次に精製作業を行い、原油に含まれる、ガム質、遊離脂肪酸、色素、匂いなどを取り除きます。またこの工程により、冷えても結晶化したり濁ったり固まったりしないようになります。

オリーブオイルの原料と製法

 オリーブオイルとはオリーブの果実から抽出されて作られた植物油のことで、原料はオリーブの実です。ただ一口にオリーブオイルといっても、搾油の方法により『エキストラバージンオリーブオイル』、ただの『オリーブオイル』、その他『ピュアオイル』など種類が複数ありますので、ここではエキストラバージンオリーブオイルを例にとって紹介します。

 エキストラバージンオリーブオイルの原料は、品質にもよりますが、基本的に手摘みしたオリーブを温度を管理しながら搾油しています。手摘みする一番の理由は、オリーブの実は傷がつくと、すぐにそこから酸化が始まるデリケートな果実だからです。また、収穫後に長時間放置したり、周囲の温度が上がったりすると、そこから酸化が始まるので、各農園はオリーブの実を収穫後、数時間以内に、温度基準を設けて搾油を行っている場合が多いです。

なお、サラダ油とオリーブオイルの製法の一番の違いは、エクストラバージンオリーブオイルは熱処理をしていない事です。

 オリーブの実には、ペースト状にして絞っておけば、自動的に油分と果汁に分離する性質があります。この性質を利用することで、熱を加えたり加工せずに、自然な油として抽出ができるのです。分類としては『油』ではありますが、実から絞り取ったジュースのような感覚です。もちろん油分ですので、ジュースのように大量には飲めませんが、スプーンに適量を乗せて、そのまま生で美味しく飲むこともできます。

2 味わい

2 味わい

 サラダ油は、精製の段階を踏むことで、意図的に味や臭いを取り、クセのない味に仕上げています。苦味などもないため、『味が嫌い』というような事はありません。ただし、一般的にサラダ油は生で食べるとギトッとした油っぽい感じがします。

 オリーブオイルは天然のジュースのようなもので、果実の独特の風味があります。そのまま生で食べても、サラッとした感じの油が多いです。クセの強いものから弱いもの、そして心地よい辛味などがあり、好みのタイプも人それぞれになります。この独特な辛味はポリフェノールによるもので、産地によっても含有量が異なります。 また、イタリアではオリーブオイルを健康のために生でそのまま飲む習慣もある程で、非常に多くの健康効果が期待できるのです。

3 美容と健康への影響

3 美容と健康への影響

サラダ油

 サラダ油の主成分は、血中コレステロールを下げるオメガ6系のリノール酸で、抗酸化作用のあるトコフェロールを含みます。しかし、このリノール酸の問題点としては、酸化しやすいということです。リノール酸は、200度前後まで加熱すると「ヒドロキシノネナール」という毒性物質を大量に発生させることがわかっています。
 ヒドロキシノネナールは、体内に蓄積すると細胞にダメージを与え、神経細胞や臓器の細胞を変性させ、様々な病気を誘発します。また近年では、アルツハイマー病や2型糖尿病への影響も指摘されています。サラダ油の発煙点は230℃程度と言われていますので、フライパンから煙が出ていたら、すでに200℃を越えていると考えてよいと思います。また、リノール酸は200度前後に到達しなくても、摂取後に酸化ストレスがかかると、体内でヒドロキシノネナールを発生することもわかっていますので、注意が必要です。
 なお日本人は、一人当たり平均で年間10リットル以上もの食用油を摂取していると言われており、人種としてもヒドロキシノネナールを体内に蓄積しやすい体質を持つと言われています。その理由は、ヒドロキシノネナールの分解酵素が弱い人が多いからです。よく『日本人の約40%がお酒のアセトアルデヒドを分解する酵素が弱い』と言われていますが、このアセトアルデヒドとヒドロキシノネナールは非常に似た成分から構成されています。このことからも、日本人の多くがヒドロキシノネナールを分解出来ないことも納得です。
 また油は、空気や光に触れたりすることで酸化し、過酸化脂質に変化しやすいので、サラダ油もオリーブオイルも冷暗所で保存することが重要です。できれば、遮光瓶に入った製品が好ましいです。
 更に、サラダ油を含む多くの植物油の製造過程で、においを除去する目的で同様の高温処理を行うことを冒頭に書きましたが、これによってトランス脂肪酸が生じます。トランス脂肪酸には動脈硬化虚血性心疾患の発症メタボリックシンドローム認知症の危険性も指摘されています。これらの観点からも、サラダ油には健康面から注意をすることが大切です。

オリーブオイル

 オリーブオイルの栄養成分の一つであるオレイン酸は、一価不飽和脂肪酸に分類される脂質の一種で、善玉コレステロール(HDL)を減らさないまま悪玉コレステロール(LDL)を減らす働きがあります。悪玉コレステロールは、増えすぎると動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞、脳梗塞、高血圧などの生活習慣病につながる危険性があるので、オレイン酸を日常的に摂取することは、大変健康的だと思います。
 なお、冒頭の基礎知識で紹介した、肉類やバターなどの乳製品に多く含まれる脂肪『飽和脂肪酸』ですが、大変口当たりがよくて美味しいですが、摂りすぎると血液中のLDLコレステロールが増加し、その結果、循環器疾患のリスクを増加させることが示されています。そこで、普段ならばバターを使う場面でも、オリーブオイルに置き換えてみることもオススメです。


 また、オリーブオイルのフルーティーなアロマと、少し刺激的で苦みを帯びた味を作り出す元となっているのが、抗酸化作用の強いファイトケミカルとして知られるポリフェノール』です。ポリフェノールは植物が光合成を行うときにできる物質の総称で、植物の色素や苦み、アクなどの成分となるうえ、抗酸化作用があることで知られます。なお、ポリフェノールの多くは水溶性のため、吸収されやすいことでも知られています。

 また、ポリフェノールの中でもオリーブに含まれるオレウロペイン抗酸化作用で知られ、現在ではサプリなどでも用いられているほどです。そしてオレウロペインの抗炎症作用にはアルツハイマー病の予防に繋がることも近年の研究で発表されており、大注目のポリフェノール成分です!

 なお、ポリフェノールはオリーブオイルの中でも、本物の『エキストラバージン』だけに豊富に含まれます。酸度の高いオリーブオイルですと、その高すぎる酸度を下げるために行なわれる精製処理の過程で、大部分のポリフェノールを失ってしまうのです。

4 使用方法

 サラダ油の主成分のリノール酸ですが、上記の通りヒドロキシノネナールが発生する可能性が高いので、揚げ物に使用するにしても、調理時の温度は200℃を越えないように管理するとよいです。ヒドロキシノネナールを避けるためには、できるだけ常温で使用するか、サッと軽く炒め物をする時に使うとよいと思います。

 また、オリーブオイルは生でそのまま食べてもいいですし、軽く火を通す分には問題が有りません。しかし、発煙点の180℃を超えると様々な健康効果が損なわれるため、180℃以下で調理することをオススメします。
なお、バターの代替品として使う際には、パンに塗る、ケーキを焼く際に入れる、焼き芋にかける、ステーキの上から注ぐなどをオススメします。

5 オススメのオイル

オリーブオイルには、大変豊富な種類があり、それぞれに違った味わいがあります。知れば知るほど奥が深いのですが、最初に選ぶ際には迷う人が多いですので、いくつか例を挙げます。また、火を入れる調理や、生でそのまま使うなどの用途によって数種類を使い分ける方法がオススメです。

炒め物(揚げ物)に使いたい場合

 火を通す料理には、なるべくマイルドでクセが無く、まろやかなオイルが向いています。また炒め物や揚げ物に使う場合は、どうしても風味が飛んでしまいますし、比較的多くの量の油を使うため、できるだけコスパが良いオリーブオイルがオススメです。このオイルは、ほんのりした甘みがあるので炒め物にタップリ使うとソースのような風味が出て最高に美味しいです。この際、本物のエキストラバージンオリーブオイルを選ぶことがポイントです。参考↓

サラダにかける、パンにつける、生で使用する場合

 サルバーニョ農園のオイルは、アロマとフルーティさが中間的で、多くの有名イタリアンでも使われています。複数の品種のオリーブの実を使っているため、クセが無くて食べやすいのが特徴的です。参考↓

 もう一つ、何にでも使える万能オイルを紹介します。クトレラ農園のプリモDOPはまろやかなフルーティーさが食べやすく、コスパもいいです。料理の仕上げに使うだけでなく、豆腐、納豆、パン、サラダなど、そのまま沢山使いたいオイルです。参考↓

カルパッチョなど、魚介類に生で使用する場合

 サレミ農園のREは、青リンゴのようなフルーティで爽やかなアロマがあるシチリア島のオリーブオイルです。不思議なもので、海が近い産地のオリーブオイルは魚介類にピッタリだと言われています。お刺身などに使うにも、このサレミREのようなタイプが向いていると思います。参考↓

肉料理に使用する場合

 トスカーナ地方にあるフランチ農園のヴィラマグラは、ピリッとしたポリフェノールの苦みと後味が続くタイプです。味の濃い野菜や、臭みのある肉の匂いに負けないくらいのパンチがあるため、グリルなどの料理に向いていると思います。こちらも不思議なもので、内陸部が産地のオリーブオイルが肉料理にはピッタリあいます。参考↓

お菓子にかけたり、ケーキなどを焼く場合

 甘くて香りのいいケーキを焼く際にバターの代替品として使うには、フレーバーオイルがオススメです。果物の実、皮とオリーブを一緒に絞って、自然な製法で作られたものはエクストラバージン『フレーバーオリーブオイル』と呼ばれ、その甘い香りと滑らかなオリーブオイルの相性がピッタリです。コロンナ農園のフレーバーオイルは、香り高い有機栽培の果実を使って製造しており、とてもオススメです、参考↓

まとめ

 いかがだったでしょうか。サラダ油もエクストラバージンオリーブオイルも、両方良いところはあります。手軽に使えて、コスパの良さではサラダ油に軍配が上がり、健康面のバリエーションでは、エキストラバージンオリーブオイルに軍配が上がります。
 筆者はアメリカ、イギリス、フランスで10年以上の居住経験もありますが、どの国でもサラダ油はVegetable oilという名称で販売されていて、よく揚げ物や炒め物をする際に使用するのを目にしました。一方で、サラダなどには生でそのままエキストラバージンオリーブオイルと塩、ビネガーだけを使用する家庭も多く、家庭ごとに使い分けが上手な印象を受けました。
 このように、いきなりサラダ油の代替として全てにオリーブオイルを使用するのではなく、用途に合わせてオリーブオイルを毎日の食卓に取り入れるのも、大変オススメです!

サラダにオリーブオイルを使うと、最高に美味しかったニャ




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