プロ直伝!オリーブオイルの選び方【重要ポイント9選】
オリーブオイルを選ぶ際に、同じような値段でも非常に多くの商品があります。また、オンラインで購入する際にも『○○コンテスト入賞!』など、記載があるものの良く判らない事が多いですね。品種、産地、味や香りだけでなく、品質も気になるところだと思います。今回は、エクストラバージンオリーブオイルの中でも、特に高級なオイルをハズレなく選ぶ際に、絶対に見ておきたいポイントを9つピックアップします!
最初に買う一本は、いつも迷うんですよね!
ハズレの無いオイル選びを伝授します!
目次(クリックするとジャンプします)
エキストラバージンオリーブオイルの選び方
オリーブオイルは、IOC(国際オリーブオイル理事会)という機関が定めた基準によって品質ごとにグレード分けされています。オリーブオイルとは果実を圧搾しただけのものを指し、酸度の低い順に上から『エキストラバージン』『バージン』『オーディナリーバージン』『ランパンテ』とグレードが分かれます。日本でも多種多様な品質が流通していますが、この記事では『エキストラバージンオリーブオイル』の選び方を紹介します。
POINT ✔ 遮光瓶で逆流防止栓が付いているかどうか ✔ 好みの味(フルーティさ、ポリフェノール)かどうか ✔ 好みの品種、産地かどうか ✔ 酸度は低いかどうか ✔ 認証マークや受賞歴はあるか |
エキストラバージンオリーブオイルとその他のオイルの違いは、この記事を参考にしてください!
1.容器が遮光瓶かどうか
まずは外見で一目でわかるポイントして、オリーブオイルの瓶が遮光瓶(黒くて中が見えない瓶)かどうかです。オリーブオイルは光で劣化しますから。一般的に中程度の価格帯以上のオリーブ油は遮光瓶に入っています。オリーブ農園が作るオイルは一般的に、搾油段階から光による劣化にはとても気を使っています。オリーブの実は収穫した瞬間から劣化が始まっており、光や酸素に晒さないままに、清潔な工場で搾油することが必須なため、ある程度の品質以上のオリーブオイルであれば、必ずと言っていいほど遮光瓶に入っています。また、光を通す透明な容器ではオイルが劣化するばかりか栄養素が減少するため、健康効果のためにオリーブオイルを使う場合は特に、遮光瓶に入っていることと、保管方法にも注意してください。
なお、トスカーナ産のラウデミオのように、色味が鮮やかな緑色で、あえて色を強調したい場合のみ、伝統的に透明瓶に入っているものもありますが、そのような場合は必ず保管箱に入って販売されています。
ラウデミオは伝統的に、透明瓶に入っているんです!
2.香りの果実味(フルーティさ)
フルーティーな香りをイタリア語でフルッタ―トといいますが、この果実味あふれたフルッタートな香りの有無も重要です。フルーティさは、オリーブオイルを口に含んだ際にスッと香りがする程度です。オリーブオイルの受賞歴を見ると【強いフルーティ部門優勝】【中間フルーティ部門優勝】や【軽いフルーティ部門優勝】などの部門ごとで分けたランキングをめにすると思いますが、この強弱のを基準にするとわかりやすいです。例え同じ品種のオリーブの実を用いても、収穫時期や栽培方法によってフルーティさは全然違いますので、注意してください。強いフルーティのオリーブオイルはガツンとくるクセがあるため、オリーブオイルを食べなれた人にはオススメです。一方で、軽いフルーティのオリーブオイルは、クセがなくて食べやすいため、白身魚やサラダのドレッシングなどにオススメです。
強いフルーティの代表的なオイルはこちらです!
軽いフルーティにオイルなら、これニャ!
3.ポリフェノールの含有量
オリーブオイルを食べたときに、喉にピリッとくる苦みが多いか少ないかは、ポリフェノールの含有量で決まります。このオリーブオイル独特の後味ですが、これは抗酸化作用で知られるポリフェノールの味なのです。この含有量はや強弱は、オリーブの実の品種や収穫時期によって異なります。例えば、早摘みの新油であるノヴェッロは、たとえ同じ品種のオリーブ同士で比較しても、ポリフェノール含有量が多い事で知られています。このポリフェノール特有の苦みは、エキストラバージンオリーブオイルに特融の味わいで、エクストラバージンオイルには非常に多く含まれていることで知られます。また、トスカーナを代表するような内陸部で収穫されるオリーブも、ポリフェノールが豊富なことで知られています。ちなみに、このポリフェノールにはビタミンEとDが豊富なうえ、人間の体内に入るとコレステロール値を下げることなどでも知られており、含有量が多いほどオイルの長期保存が可能と言われています!
4.品種で選ぶ
上記の内陸部の品種に対して、海洋部で摂れるオリーブの代表格はシチリアのトンダイブレア種で、ポリフェノールはマイルドで、青りんご系のアロマがするフルーティなオリーブの品種として知られています。日本人にも大変好まれている品種ですので、一度は試してみたい品種です!
トンダイブレアの中でも、青りんご感が強いのはサレミReです!
オリーブの品種は、細かく分けると何千もの種類がありますが、代表的な品種は以下のようなものがあります。
- タジャスカ – リグーリアに代表される品種で、繊細な味
- アスコラナ – マルケに代表される品種で、アーモンドやバナナのような複雑なアロマが楽しめる
- カニーノ – ラツィオに代表される品種で、食べやすい万人向け
- イトラーナ – ラツィオに代表される品種で、アロマが強く、クセが少なく食べやすい
- コラティーナ – ポリフェノールによる苦みが強く、肉の赤身に最適
- トンダイブレア – シチリアに代表される品種で、フルーティで食べやすい
- ノッチェラーラ – シチリアに代表される品種で、オリーブの青臭さがある
- フランイオ – 苦みと絡みのバランスが抜群の品種
- 混合 – レッチーノやモライオーロなどの品種が使われることが多い
人気の混合オイルは、単一品種よりも味がマイルドで食べやすくブレンドされていることが多いです!
5.火を入れて使うかどうか
オリーブオイルは、生でそのまま使う場合は、ダイレクトに味が伝わるため、極力品質の良い物を選ぶことをオススメします。また、火を入れる料理に使う場合には香りが飛んでしまうので、コスパを考えるとブレンドのオイルを選ぶと良いでしょう。なお、火を入れた調理の際には、煙が出るほどに加熱すると、栄養成分までも失われますので、温度の上昇には十分気を付けてください。
揚げ物や炒め物の温度は、この記事を参考にしてください!
6.酸度の低さ
オリーブオイルの酸度も、オイルを選ぶ際に大変重要なポイントです。本物のエキストラバージンオリーブオイルは、オリーブの果実を絞り、ろ過したもの。それ以外には、手が加えられていない状態を指します。『酸度』とはオリーブを実からオイルに加工する際に生じる遊離脂肪酸が含まれる割合を%で表す数値です。この遊離脂肪酸が多いほど、オリーブオイルは酸化しますから、この割合が低いほうが好ましいです。そして、オリーブオイルの中に脂肪酸が何%遊離しているか示す数値が『酸度』と呼ばれます。
エキストラバージンオリーブオイルは国際基準で酸度0.8%以下という規定があります。偽物の場合、他のオイルや化学物質を添加して酸度0.8%以下になるよう加工されているものや、不純物が多く含まれてるものがありますので、注意してください。
国際コンテストで入賞するものには0.2以下、0.1以下、時には0.9以下のものもありますが、これらのオリーブオイルは栽培、収穫から搾油まで並みならぬ努力をしている証ですから、メーカーが開示している場合には、大いに参考になります。
酸度は毎年、収穫の度に若干は変わりますので、販売会社も都度更新せずに書いていない場合も多いですのでが、個別に問い合わせると大抵は教えてくれます。
例えばチェトローネのオリーブオイルは、酸度0.09です!
7.認証マークの有無
DOPとIGPのロゴマークはオリーブオイルの瓶のラベルにも貼ってあったりしますから、見たことが有る方も多いと思いますが、オリーブオイルがDOPやIGPなどの国際的に信用できる認証を持っているかどうかも大切な基準です。「IGP(Indicazione Geografica Protettaの略語で保護指定地域表示と訳します)」と「DOP(Denominazione di Origine Protettaの略語で保護指定原産地表示と訳します)」という2つの認証制度ですが、EU(欧州連合)が定めた、認証で、食品の品質や安全性の保証と生産者の保護のためにあります。
元来この証が存在する理由は、多種多様な農産物を広く市場に流通させるとともに、製品名を誤用や盗用から守り、消費者が必要とする情報を正しく伝えるためですが、逆に、この工程で認証を取得し、維持しているブランドは一流の食材メーカーとも言えます。
DOPとIGPについて詳しくは、こちらの記事で解説していますので、参考にしてください。
8.国際コンクール受賞歴
通販などでオリーブオイルを購入際に『○○で優勝!』などの記載を見かけることが多いですが、実際に信頼できるコンテストなのかを見分ける必要があります。現状、入賞歴で僕が信頼できると思っているものがいくつかありますが、以下が代表的な3つです。
- SOLオリーブオイルコンテスト – オリーブオイルのブラインド・テイスティングで世界一権威のあるコンテスト
- ガンベロロッソ受賞歴 – イタリアの有名グルメ雑誌が主催する品評会)
- JOOP受賞歴 – 日本で開かれるオリーブオイルの国際コンテスト
- FLOS OLEI – オリーブオイル界では世界で最初の国際ガイドブック
- BIOL – オーガニックのオリーブオイルに限定した国際的コンテスト
9.逆流防止の注ぎ口の有無
最後に取り上げるのが、オリーブオイルの瓶の注ぎ口が逆流防止の栓がついているかどうかです。この栓は、偽物を詰め替えられる危険栓を避けるために、メーカーがボトリングの際に取り付けています。偽物が出回る可能性かあるほどの高級オイルにしかついていないですが、このような工夫の有無も、指標の一つです。ただし、このようなスクリューがついていない中価格帯程度のオリーブオイルでも、非常に美味しいものが沢山ありますから、オイル選びの一つのヒントにしてみてください!
まとめ
如何だったでしょうか?もしテイスティングをして選べる環境の場合は、オイルがサラッとしていて飲みやすいかどうかも、大切な感覚です。品質の良いエキストラバージンオリーブオイルは非常にサラッとしていて、まるで搾りたてのオリーブのジュースです!!逆に、ベトッとして油っぽいものは要注意です。酸化や古くなったオイルはベトベトした口触りと酸化臭が感じられますので、要注意です!オリーブオイルを試される際は、これらのチェックポイントでぜひ確認してみてください!
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