【2024年】オリーブオイルの新油『ノべッロ』とは？ 特徴5つ＋オススメのノヴェッロオイル3選
『ヌーボー』と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか？よく、ワインのボジョレーヌーボーは、たびたび耳にするので、なんとなくイメージがある人が多いと思います。イタリアでは、ヌーボーを『ノベッロ（ノヴェッロ）』と呼び、『新しい』を意味します。
そもそもワインのボジョレーヌーボーは、フランスのボジョレー地区の初物ワインを指しますが、それと同じように、オリーブオイルにも『初物（新油）』があり、イタリアでノヴェッロ（ノベッロ）と言えば、これを指します。今回は、ヌーボーオイル（以下ノヴェッロ）の特徴を5つお届けします。最後には、オススメのノヴェッロをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
毎年、ワインのヌーボーは酒屋さんでも販売されてますね！
いわば、オリーブ界のボジョレー・ヌーボーだよね！
目次（クリックするとジャンプします）
ノベッロオイルとは
『ヌーボー（NOUVEAU）』とはフランス語で『新しい』という味ですが、イタリア語では『ノヴェッロ』（NOVELLO）です。
四季が豊かなイタリアでは、秋の訪れを感じさせる風物詩的な存在でもあり、旬で新鮮なオリーブオイルです。本場のイタリアでは、『オリーブのフレッシュジュース』とさえも称されるほどです。このように、ノヴェッロとは早摘みオリーブの中の早摘み、一番早い時期に収穫したオリーブから搾ったオリーブオイルを指します。
ノヴェッロオイルの特徴5つ
これぞまさに一番搾りですね！
果実の実を絞っただけの油であるオリーブオイルの中でも、最も新鮮な貴重な部類なんだよ。
1、早摘みのオリーブ
イタリアのオリーブの収穫時期は、秋口の10月から翌年の2月頃までですが、ノヴェッロの収穫時期は10月初旬になります。ノヴェッロは、通常のエキストラバージンオリーブオイルと比べて極めて早摘みのオリーブの実だけを収穫して、搾油するのが特徴です。熟す前のオリーブを収穫できるタイミングは非常に短く、およそ1ヶ月程度しかありませんから、それだけ希少です。さらに、早摘みのオリーブは慎重に管理する必要があるため、手間と労力を要します。また、オリーブは熟すに従って果実の油分が増えていくため、早摘みのオリーブの油分は比較的に少なくなり、これがまた貴重なのです。ノヴェッロは特に香り高く、果実味が豊かでフルーティなのも魅力です。ワインの場合は、熟成が進むにつれて味わいが増すため、価値が上がりますが、オリーブオイルは逆で、フレッシュなものほど風味がよく、価値が高いのです。なお、毎年イタリアから日本に一番早くに到着する『ノヴェッロ』は、イタリアから飛行機で輸送され、毎年10月の後半にかけて入ってきます。また通常輸送の場合、『ノヴェッロ』は船でゆっくり到着するため、12月中旬から翌年の1月にかけて出荷されます。
2、ノンフィルター
通常のエキストラバージンオリーブオイルは、しっかりとフィルタリングされていますが、ノヴェッロは果実味を愉しむために、あえてノンフィルター（全くフィルタリングがされていない）もしくは、軽くフィルターに通しているだけです。通常のエキストラバージンオリーブオイルは、すり潰した状態のオリーブ果実をプレスして、液体分を搾り出し、さらに遠心分離にかけることで油分から水分を取り除き、フィルターに通して濾過（ろか）します。一方でノヴェッロは、あえてフィルターを通さないことで、果実味を残し、オリーブの香りや青臭さを際立たせます。また、オリーブオイル中には微細なオリーブの果肉が浮遊しているので少しトロっとした食感も楽しめます。オリーブオイルを透明の瓶に注いでみると、中に果肉が舞っているのが見えて、とても美味しそうに見えます。また、ボトルの底にオリーブのかけらなどが沈殿しますが、これもノヴェッロの証しでもあります。
3、ポリフェノールが豊富
ノヴェッロには果肉が多く含まれ、しかも早摘みであるが故にポリフェノールやビタミンなどが多く、健康効果も高いと言えます。なお、ノヴェッロは香りが強く、苦くて少しスパイシーな味わいが美味しい言われますが、この味わいの理由は豊富なポリフェノールにあります。また、このポリフェノールは老化を防ぐなどの抗酸化作用があるため、美味しいだけでなく、美容と健康にも重要な役割を果たすのです。なお、以前の記事にも健康的な食事として紹介した地中海式ダイエットですが、その中心的な食材であるオリーブオイルの健康効果の成分が、ノヴェッロにはたっぷり含まれているのです。
4、使いきりの期間は短い
ノベッロは開封後、数週間～１か月ほどで使い切るのがベストです。ノヴェッロは非常にフレッシュな半面、ノンフィルターがゆえに果肉や水分などが多分に含まれます。このため、ノヴェッロは通常のエキストラバージンオリーブオイルよりも劣化が早いのです。開封後には思い切って、沢山使うのがオススメです。
5、味わいと使い方
ノヴェッロは、採れたてのノンフィルターですから、オリーブオイルの味や風味を一番ストレートに味わえるオイルだと言えます。通常のエキストラバージンオリーブオイルにくらべて、青々しくてフレッシュな風味が特徴ですが、その年のオリーブの出来により、毎年少しずつ風味が異なります。そこで、今年はどんな味わいかを楽しみにしながら、その年ならではの味を楽しむことがポイントです。ノヴェッロの楽しみ方は、イタリアではパンの上にたっぷりかけて食べるのが定番で、初物の収穫を喜ぶのが風習です。なお、ノヴェッロは香りや風味が豊かなので、火を入れて調理をすると折角の香りが飛んでしまいます。そこで、調理用に使うよりも、オイルそのものを味わえるように、生でそのまま使うのがオススメです。たとえば、サラダにドレッシング感覚でかけたり、グリルした魚や野菜、スープやパスタなどの仕上げにサッとかけるだけで風味が増し、美味しくなります。もし普段から決まったエキストラバージンオリーブオイルのブランドを使っている方は、そのブランドがノヴェッロを作っていれば、今年の出来栄えを愉しんでみてはいかがでしょうか？
オススメのノヴェッロ ３選
前述の通り、ノヴェッロは普段のオリーブオイルよりも若干スパイシーな味わいになります。これを見越して、お好みのタイプのオリーブ品種から選ぶことがオススメです。
１．サルバーニョ農園の新油
はじめてノヴェッロを試す場合は、一番オススメなのがサルバーニョ農園の新油です。もともとサルバーニョのオリーブオイルは複数の品種のオリーブを程よくブレンドしており食べやすいタイプです。採れたてのノンフィルターでも、程よく辛味が出て食べやすくとても美味しいです。
サルバーニョのノヴェッロは毎年日本に船で着くため、12月末ごろに入荷しています。
２．テラリーバ農園の新油
テラリーバのオイルは、通常でもパンチが強くて強いフルーティで知られています。特にノヴェッロになると、非常に香り高く、クセのあるオイルがお好きな方には大変オススメです。なお、テラリーバの使用品種はシチリア島のトンダイブレア種と言って、一般的に食べやすい品種ですので、クセがあると言っても、多くの方が『美味しい』と感じる程度ですので、安心して試せます。
テラリーバの新油は、毎年飛行機で輸入されており、10月末くらいに到着しています。
３．マンドラノーバ農園の新油
最後に紹介するマンドラノーバ農園のノヴェッロですが、もともとマンドラノーバはクセがある青草の様なアロマが特徴のオイルで、さらに辛味が加わるため、香が強いタイプがお好みの人のオススメです！品種はシチリア島のノッチェラーラ種で、青いトマトのうようなフレッシュなアロマが最大の特徴とされています。
マンドラノーバの新油は、500ml缶が毎年日本に飛行機で輸入されるため、10月末くらいに入荷して、750ml瓶が船で着くため、12月末ごろに入荷しています！
まとめ
如何だったでしょうか？ノヴェッロは季節限定で、非常に珍しいため、スーパーなどに並ぶことは殆どありませんし、一部の高級レストランや、百貨店、インターネットでのみで見つけることができる、大変レアなオリーブオイルです。栄養も豊富で味わい深いため、オリーブオイルが好きな方は、一度試すことをオススメします！
ノヴェッロって、本当にオリーブのジュースみたいだニャー
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