腸活とは?【すべきことと、辞めるべきこと3選】
食べることは人間が生きていく上で欠かせませんね!食は喜びであり、生活の一部であり、そして生命を健康にするものでもある一方で、時には体に害を与えることもあります。腸は食べたものを消化し、栄養を吸収し、残ったものを便として排出する役割を担っていますが、近年は腸のトラブルを訴える人が増えています。
腸が不調だと、消化不良や代謝不良を起こすだけでなく、併発する免疫力低下、鬱、癌など様々な症状が報告されています。逆に腸の調子がいいと、肌や体調が良く、気分までよくなるので驚きです!そこで今回は、腸を綺麗にしておく『腸活』のメリットと具体的にすべきこと、そして辞めるべき習慣3つを紹介します。
何を食べるかよりも、何を食べないかも重要なんですね!
食べ物で血が汚れると腸が汚れる。これはギリシャ時代から指摘されていたんだよ。
目次(クリックするとジャンプします)
腸活とは
腸活とは、バランスのよい食生活や適度な運動などによって、腸内環境を整えることです。小腸は全長が6~7m、大腸はおよそ1.6mある消化管で、腸内にはおよそ1,000種類の多種多様な細菌が約100兆個も生息しているといわれています。腸内環境は、この細菌の量のバランスが重要とされ、具体的には善玉菌30〜40%・悪玉菌10%・日和見菌50〜60%が理想とされています。この状態を目指すために、古今東西から多くの研究がなされてきたのです。
古代ギリシャの医学
紀元前460年頃から紀元前370年頃にギリシャの医者であった『医学の父』ヒポクラテスは2~4種類の体液を構成要素として挙げました。この考え方は後に『人間の体液は血液を基本に、粘液、黄胆汁、黒胆汁の4つから成る』とし、『血液にその他の3つの液体が混ざる事で不調をもたらす』という四体液説が発展しました。古代ギリシャの考え方では、食べた物が消化されて養分になり、血液が生じ、細胞を作り、その結果として正常な体を作ると考えたため、食事を大変重要視しました。
こんな昔から、腸活の概念があったなんて驚きです!
漢方の考え方
ところ変わって中国に伝わる漢方でも、万病一元論という同じような考え方があります。腸の汚れが万病に繋がるという考え方で、どんなに健康に良いものを食べていても、腸が汚れていては、その汚れ(老廃物)を一緒に吸収してしまうというのです。例えば、断水した時の水道管のように、普段は水が通っているので水は透明に見えますが、断水した後から茶色い水が流れたりするのは、水道管にこびりついた水垢のような汚れがパラパラと剥がれだすからです。これと一緒で、腸の中を綺麗にすることが、大変大切だと考えられています。この作用を利用しているのが、断食療法(=ファスティング)です。
成人の腸の長さは7~9メートルと言われていますが、この長い腸管には水道管にこびりついた水垢と同じように、便として出なかった毒素・老廃物(宿便)がこびりつきます。これを定期的な断食(ファスティング)で解消することもできますし、普段からの食事法を工夫することで解消することもできます。
腸活のメリット
『幸せホルモン』のセロトニンが増加
セロトニンは、実際はホルモンではなく自律神経を整える『神経伝達物質』です。セロトニンがしっかり分泌されていると、自律神経のバランスが整い精神が安定します。気分の浮き沈みが少なくなることにより、ストレスやイライラも軽減されます。このように腸は「第二の脳」とも呼ばれており、このように気分の良し悪しにも大きな影響を及ぼすのです。
なお、セロトニンのおよそ90%は腸内で生成されているため、幸せホルモンを増やすためには、腸内環境を積極的に整えることが大切なのです。
毎日ハッピーだと人にも優しくなれますよね!
便通の改善
日本語で便の事を『お通じ』と言いますが、これは体からのお便りという意味で、成績表のようなものです。腸がキレイになると、それに応じて『お通じ』が変化しますので、一つの目安になります。
腸がきれいになる前兆の便
・バサバサの腸壁に詰まっていたような便がでる
・ドロドロのコールタールのような便がでる
腸がきれいな人の便
・バナナのようなつるんとした綺麗な一本の大きな便
・時間がかからないで、一気に出る
・残便感が無い
・便に匂いがない
・紙につかない(便がつるっと出て、お尻がキレイ)
・体臭がなくなる
免疫力がアップする
腸内には免疫の大多数が存在し、腸内環境のバランスが良い状態の場合、腸の免疫力が上がります。私たちは口から食物を摂り入れ、その食物が胃や腸を通り、肛門から便となって排出されます。また口からは食物以外にも、さまざまな細菌やウイルスが侵入してきます。腸はこれらの外敵にさらされる機会が多いため、免疫機能が備わっています。免疫に関わる細胞の6割以上は腸に存在し、腸は体内で最大の免疫器官と言われています。つまり、腸の健康を保つ事が、免疫力をアップするコツと言えます。
なお、腸が健康な状態とは、腸内細菌のバランスが整った状態でコレラ、ペスト、インフルエンザ、最近ではコロナなどの菌性の病気に関しても、免疫が強ければ退治できます。常に自分の免疫を高める意識が大切です。食事療法をしても、まだ病気が多いのは、万病一元論にある腸を綺麗にする視点が必要です。
肌荒れの改善
善玉菌は腸内でビタミンを産生する作用があるため、善玉菌を増やすことで肌荒れの改善につながります。また、腸内環境が乱れることで引き起こした便秘も改善することで腸内に溜まった老廃物を排出して、肌のターンオーバーの乱れ、吹き出物や肌荒れを改善します。
老化予防
老化は経年による影響だけではなく、細胞や組織の炎症によっても起こるとされています。腸内環境を整えると免疫細胞がよい状態に保たれ、その炎症をおさえられるため、老化予防につながるのです。なお、ここでもオリーブオイルのポリフェノールによる抗炎症効果は大変注目されており、腸活には欠かせないアイテムと言っても過言ではありません。
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ダイエット効果
腸内環境のバランスを整えると、善玉菌は、腸内を弱酸性に導く酪酸・酢酸などの短鎖脂肪酸が正常に作られるようになります。短鎖脂肪酸は、エネルギー代謝をコントロールする役割があり、肥満予防にも効果があるとされています。
睡眠の質がアップ
腸内環境が整うと、寝つきの良さと目覚めの良さに驚くと思います。このことは、暴飲暴食をした翌日の目覚めの悪さからも、想像がつくと思います。腸内環境が眠りに関連する理由は、眠りを司るホルモンのメラトニンを生み出すトリプトファンは、体内に取り込まれたタンパク質を腸内細菌が分解・合成することで作り出されるからです。腸内環境が整うと、そのトリプトファン生成の効率がよくなるため、より良い睡眠が取りやすくなるのです。
腸内環境を改善するためにすべきこと3つ
1. 善玉菌の餌となる食品を摂る
- 食物繊維、オリゴ糖 – 食物繊維やオリゴ糖は消化吸収されずに大腸まで届き、善玉菌のエサとなって善玉菌を増やす作用があります。これらの成分は「プレバイオティクス」と呼ばれ、積極的に摂取することで腸内環境を改善することができます。これらの食物繊維が豊富な食材は、野菜、果物、豆類、海藻類などが挙げられます。中でも、イモ類や海藻類などの水溶性食物繊維は善玉菌のエサになりやすいため、いつもの食事にプラスするなど、積極的に摂取しましょう。特に菊芋のイヌリンの水溶性食物繊維は、胃腸を通過する際に水分を吸収してゲル状に膨らむことで余剰な糖分・脂肪分を包み込み体外へ排出する効果で知られており、効果絶大です!
日常の食事で食物繊維の摂取量を増やすには、普段食べている白米やパンを玄米や全粒穀物に変えるのもおすすめです。また、オリゴ糖が多く含まれる代表的な食材には、大豆、タマネギ、ゴボウ、ニンニク、アスパラガス、バナナなどがあります。 - オリーブオイル
2023年8月に放送された日テレの『世界一受けたい授業』の寿命をのばす“夏の腸活”では、オリーブオイルが取り上げられました。腸活の第一人者である松生恒夫先生によると、オリーブオイルを1日大さじ1杯取ることが腸を温めることと、便秘の改善に繋がり、腸活にとても効果的だということです。
- 発酵食品 – 発酵食品には健康に有用な生きた善玉菌が多く含まれており、腸内環境を整えてくれる作用があります。これらは「プロバイオティクス」とも呼ばれ、普段の食事に取り入れることで、腸内環境の改善が期待できます。代表的な発酵食品にはヨーグルト、乳酸菌飲料、納豆、キムチなどがあります。
- サプリメントや整腸剤 – 善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌、酪酸菌が含まれるサプリメントや整腸剤の活用もひとつの手段です。善玉菌の中でも特に酪酸菌は限られた食材にしか存在しないため、現代人が普段の食事から十分に摂取することは難しいため、酪酸菌が配合されたサプリなどから摂取することが手軽でおすすめです。
忙しい生活が続くと、ついつい外食をしがちですが、上記を意識して家で調理することも大切ですね!
2. ストレスを溜めない
腸は自律神経と深い関係が有るため、いくら食べ物で腸内環境を整えようとしても、ストレスのコントロールができないと、腸内環境が改善できません。ストレスで自律神経が乱れてしまうと腸のぜん動運動が滞る事で、腸と全身への血流が低下します。これにより、免疫力が低下して 様々な病気を併発することになりますので、ストレスを感じない、溜めないような生活の知恵が大切です。
ストレスを感じない生き方のコツは、これです!
- 自由な生き方を実践する
- 笑顔を心がける
- 肯定的に考える
- 毎朝決まった時間に起きて、朝日を浴びる
3. 腸のマッサージをする
腸のぜん動運動を促すマッサージが、腸内のメンテナンスに効果的で知られています。これは、便秘外来で有名な順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任した小林弘幸教授が薦めている方法で、滞りがちな「腸の四隅」を揉みます。たった3分ですので、空いた時間にチョット実践するのにもオススメです。
①左手で左の肋骨の下、右手で右の腰骨のあたりをギュッとつかみ、ゆっくりもみほぐす
②両手とも上下を入れ替え、合計3分間行う
③腸もみの前に深い呼吸を心がけ、副交感神経を優位にすれば、効果的
腸内環境を改善するために辞めるべきこと3つ
1. 食べすぎ
腹八分目という諺が有りますが、これは腸内環境の観点からいうと正解です。むしろ、1日3食をきっちりと摂る場合は、もっと少なくても良いかもしれません。オートファジーとは、生物に備わっている細胞内の浄化・リサイクルシステムで、細胞が持つ自己貪食(自食)の機能で、主に空腹時に活発化すると言われています。このことにより、細胞内の不要・有害なもの(変性タンパク質、不良ミトコンドリア、病原性細菌など)を分解して消化してくれます。これは胃腸の不要物に限らず、体中の不要な毒素を自食してくれるという事で、老廃物の蓄積が招きうる様々な病気から人を救うのです。さらに栄養状態が悪くなった時にでも、過剰なタンパク質を分解して、生存に必要なタンパク質にリサイクルするという働きもあります。
なお、新陳代謝としてのオートファジーは、私たちの体のほとんどの細胞で、常に起こっていると考えられますが、栄養が供給されない飢餓状態に陥ったときには、特にオートファジーが活発化すると考えられています。逆に言うと、常に食べすぎの状態では、栄養過多になり、新陳代謝のためのオートファジーが行われにくくなるのです。このシステムは東京工業大学栄誉教授の大隅良典さんが研究し、2016年にはノーベル医学・生理学賞が贈られています。
消化酵素と代謝酵素
酵素には2種類あり、元々人体にある『体内酵素』と、外部から取り入れる『体外酵素』に分けられます。体内酵素とは生命活動に必要な代謝酵素と食物の消化をする消化酵素です。また、体外酵素は食物酵素で、これも食物を消化する消化酵素です。
私たちの身体の中で体内酵素は毎日作られていますが、作れる酵素の総量には上限があります。体内酵素の総量が100あった場合、もし消化に酵素を60使った場合は、代謝は40しか残っていないのです。そこで、大量に食べて消化酵素を使い果たしてしまったり、消化に悪いジャンクフードを食べたりすると、代謝酵素の残りがなくなり、結果として代謝不良に陥り、体内に毒素が残るという事になります。ここで重要な考え方ですが、食物の消化には食物酵素が必須ですし、消化したものを代謝するには、代謝酵素が必須ですので、この分量を不足させるべきではないという事です。酵素が不足すると、消化不良や代謝不良を起こすので、そうならないためにも、食べすぎ(酵素の無駄使い)は厳禁なのです。
2. 肉食中心の生活
肉中心の食生活は、動物性脂肪を過剰に摂取すると大腸内に悪玉菌が増加して、腸内環境は悪化します。さらに悪玉菌は、硫化水素やアンモニア、アミンなどの毒素を発生させて「発がん物質」を作り出します。また、肉中心の食生活を続けていると体内で脂肪を消化・吸収するために肝臓が胆汁を過剰に分泌するようになります。そうなると、肝臓に戻れない余分な胆汁が大腸に流れ込み、がんを更に促進する二次胆汁酸(発がん促進物質)を生み出すのです。つまり、発がん物質と発がん促進物質がダブルで揃うので、更に大腸がんのリスクが高まります。現に癌になった人の腸を調べると、悪玉菌が優勢になっているといいます。
断食(ファスティング)をすると、食事をしていないのにこんなに沢山の便が出るのかと驚くほどです。これが出て行ってくれると、とても体の調子が良くなるというのが万病一元論です。また、腸が健康だと『幸せホルモン』と呼ばれるセロトニンを出すため、実際に気分も幸せになるのです。
3. 短すぎる食事の間隔
以前TVで放送された「この差って何ですか?」(TBS系)では、お通じが良い人と悪い人の差について特集しました。厚生労働省の調査によると、お通じが悪い女性は年齢と共に増加傾向にあり、60歳以上では6人に1人が便秘に悩まされているそうです!ちなみにお通じが悪い状態が長引くと腸にたまった便が腐り、そこから発生する有害な物質が全身に広がります。こうなると、前述のように肌荒れやむくみなどを引き起こすだけでなく、自分の日々の期限のコントロールさえも難しくなりますし、最悪の場合腐った便が大腸を塞いで破裂してしまう危険もあるのです。これまでは一般的に便秘の原因は加齢による腸の衰えやストレスと考えられてきましたが、実は他にも食事と食事の間隔にも影響されているのです。
東邦大学医療センター大森病院の渡邉利泰先生は、「腸の動き」が関係しているとコメント。お通じが良い人の腸は“大ぜん動”、悪い人は“ぜんどう運動”という別々の動きが起きています。“ぜんどう運動”は大腸が緩やかに伸びたり縮んだりする状態で、24時間誰の腸内でも起こっている動き。それに比べ“大ぜん動”の場合、この動きが200倍近い速度になります。
“大ぜん動”は、お通じが良い人の腸でも1日に数回しか起きない珍しい動き。しかし「食事と食事の間を8時間きっちりあける」ことで、誰にでも起きるようになります。
夜寝ている間は腸の働きが弱まるため、直前の飲食は控えた方がいいんです!
まとめ
今後、ますます長寿社会に向かうにあたって、健康的に生きていくことは皆が望むところだと思います。方や、毎日の生活でストレス、暴飲暴食、寝不足などで体の老化が進み、思うような老後を迎えるのが難しい社会でもあります。毎日明るく、健康で、肌もきれいで、若々しくて、自立した生活を送ることは、自分たちも幸せでいられて、結果として周りの幸せにもつながります。
食生活を正した後、血圧が下がったとか、糖尿が良くなった等の報告を良く聞きますが、万病一元論の考え方で言うと、腸内の環境が良くなったことが理由です。また、漢方的な視点で言う万病一元論では、汚れた血である瘀血(おけつ)が万病に関連するため、病気だけでなく膝や腰痛が治ることにも関係しています。腸が綺麗になるだけで、手足の冷え、シミ、そばかす、クマ、くすみ、ニキビ、イボなどの肌荒れ、生理痛、無月経、子宮筋腫などの婦人科系トラブルなど様々な症状に良いとされています。
なお、primeshop.jpのコラムでも紹介しているオリーブオイルの健康効果をはじめとする地中海式食事法を実践すると、普段の生活を続けながら食事のバランスを整え、腸管を綺麗にできるので、大変オススメです。腸活はとても魅力的な考え方で、内側から健康でハッピーになる事で、明るくて魅力的人格を形成するのに役立ちます!十分に価値はありますので、ぜひ腸活を試してみて下さい!
まさに万病に効くんだニャ―
自然で健康的な スローライフ を実践するイタリア食材のプロ。年間2万本以上のオリーブオイルやバルサミコの販売をするPRIMESHOPを運営しながら、人生を愉しみ、明るく 幸せに 過ごすライフスタイルを提案中。
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